読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 8/5

ウェブ恋愛 (ちくま新書)

ウェブ恋愛 (ちくま新書)

サークラに所属しているので、その活動の一巻として。少し古めなので"電車男"とかが例に載ってる。ウェブを経由した恋愛だと、元々相手を何かしら知っていて発展していく実生活での恋愛とは異なって、自己承認欲求が高まりすぎてウェブ恋愛へ流れ込む、みたいな事例があったりする。割りと分かりやすくて良かった。(グースカ)

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)

時間SFとラブ・ロマンスは相性が良い。特に日本ではハインライン夏への扉とか、ロマンティック時間SFは(アメリカに比べて)かなり人気があるので、それをテーマに短編を集めてみましたという本。結構(アロゲ)

研究室の書庫にあったので読んだ。英和・和英・英英の使い分けや連携などを実例付きで説明してくれていて面白かったが、如何せん古いのでWeb翻訳とかの立ち位置についてどう考えているのかがなくて惜しい。(ほしみ)

例会 7/29

20歳までの人生を「完璧に」「何の後悔もなく」生きた男が、その記憶を持ったまま10歳まで戻されてやり直す、という話。仕方がないから全く同じ人生を生きてやろうと思ったら、一周目で付き合ってた彼女に告白して振られたところから失敗ばかりの人生になってしまって……という流れ。よくあるような題材だとは思うけれど、料理の仕方が上手く、作者の筆力を感じる。本当に少しのきっかけで大きく人生が変わってしまう、という思想?を上手く表現した物語だと思う。(アロゲ)

kindleのセールで108円だったので買った。いろんな点で「ちょっと足りない」女の子の話。日常系なのかな、と思ったら結構シリアス。周りもいいやつだし不良も実はいいやつだし、ちーちゃんは"ちょっと足りない"けど愛されてる、という感じで終わる。のかと思ったら実はちーちゃんの友達がめっちゃ鬱屈を抱えた感じで、すっきりしない感じで終わってしまった。(アロゲ)

映画化ということで久しぶりに再読。ちょうど「ハリウッド映画化!!!」が発表された時くらいに読んだ気がするんだけど、どうせデマだろと思ってたら本当に映画になってて笑う。(ほしみ)

例会 7/15

姉飼 (角川ホラー文庫)

姉飼 (角川ホラー文庫)

ホラーというより不思議な話をまとめた作品集。表題作が姉という名前の生き物を調教する事に嵌っていくという話なのにその姉を初めて見た脂祭りの描写が鮮明にされていてそれが気持ち悪く、なんだこの話はと思った。(アロゲ)
文学部唯野教授のサブ・テキスト (文春文庫)

文学部唯野教授のサブ・テキスト (文春文庫)

筒井康隆の小説、文学部唯野教授の外伝的な本。唯野教授が質問形式のインタビューに答える部分と筒井康隆河合隼雄等との対談が収録されてる。唯野教授が質問に答えていくところはユーモア全開でとても面白かった。(アロゲ)
教室内(スクール)カースト (光文社新書)

教室内(スクール)カースト (光文社新書)

スクールカースト」というあまり焦点の当てられないテーマについて書いた本。膨大なインタビューを通してスクールカーストの実態を描いている。つい最近まで「クラス」という閉ざされた空間にいた自分にとってはとても身近な話であり興味を持てる内容だった。いくらかエグい話もあるが、それによって描かれるスクールカーストの実態にもリアル感がでている。 (グースカ)

7/8 例会

スカラムーシュ (創元推理文庫 513-1)

スカラムーシュ (創元推理文庫 513-1)

イタリア古典喜劇中のほらふきみたいな人。地方弁護士だったんだけど、ひょんなことから革命を煽るみたいな形になってしまって、政治犯として逃げることになる。で、地方楽団で「スカラムーシュ」という役をやることになり……。その後色々あって結局演劇からも追われ、剣術道場で雇われる。と、行き当たりばったり感がすごい上、職を変えるごとに「これが俺の天職だ!」とか言ってて(とても頭はいいのだけど)お前大丈夫かよ感がある。しかし、最終的にそこらへんが全部布石となって物語の結末に繋がっていくのはなかなか良かった。(アロゲ)

昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF)

昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF)

SFというよりは一種ファンタジックな世界観の短編集。ページをめくる手は止まらないのだけど、よくよく考えてみるとよく分かんねえ、みたいな読後感。明確なオチがないので、カタルシスを得にくい。初ラファティだったけど、「ラファティはやっぱ良い」としみじみ言えるようになるまではまだまだ遠い道のりだと感じた。(ほしみ)

例会 7/1

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

吃音症の女の子が高校に入り出来た友人たちと触れ合いながら自分と向き合っていく話。担任の無理解や、周りの人間が吃音症状を真似して笑っていたりするのがかなり心にきた。自分もしゃべるのが得意というわけではないので、主人公にはすごく共感できたし、笑われるのがこわいから逃げたけど自分を笑っているのは自分自身なんだという独白が突き刺さった。(アロゲ)
見えない都市 (河出文庫)

見えない都市 (河出文庫)

マルコ・ポーロフビライ・ハンに、自分が訪ね歩いてきた都市を語っていく短編形式。竹馬のような脚に支えられた都市、まったく同じ設計の無数の街を定期的に大移動し、そのたびに人々が職業を入れ替わる都市、廃棄ないものだが、時々現代の人々の生活に結び付くことがある。時折はさまれるマルコとフビライの会話は難解かつ抽象的で理解が出来ないため、何度も読み返したい。こう書くと取っつきにくそうだが、一篇一篇は短く、描かれる都市への空想を膨らませるのが楽しかった。(にとり)

例会 6/24

子どものための哲学対話 (講談社文庫)

子どものための哲学対話 (講談社文庫)

子どものぼくと猫のペネトレが素朴な疑問を語り合う本。一つ一つの節は10ページ以内で終わり、ペネトレが意味深な事を言って終わる事が多く、こちらに考えさせる作りになっている。やりたくない事はふと始めれば良いのだという話が救いになった。(アロゲ)
くるぐる使い

くるぐる使い

筋肉少女帯を最近聴くようになり、あるSFアンソロジーでこの表題作を見てオーケンだ!と思って読んだら面白かったので単行本を買ってみた。どの話も少年少女が気が狂っていく話だった。(アロゲ)

例会 6/17

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「ミラーニューロン」の発見から、どのような実験が行われてどのような役割を果たしていることが明らかになったのかを順序立てて説明する。「他人の行動を見ているだけで、その行動に関係するニューロンが発火する」という性質が、他人の意図・感情の理解や、赤ん坊の社会的発達、自閉症とどのように関わっているのかが分かりやすく書かれていてとても面白い。最近英語をようやくまじめに勉強し始めたのだけど、個人的に連想したのはシャドーイング(ミラーリング)の有効性とか、「英語回路を作れ!」みたいな怪しげな言葉も、科学的に「模倣」が重要という事実を知ると真実味があるなと感じた。(ほしみ)

マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)

マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)

ミュージシャンであり、かつマイケル・ジャクソン信者である筆者が、「なぜマイケル・ジャクソンは誤解されてしまい、悪いイメージがついてしまったのか?」というのを語る新書。This is itという映画の意図など、(グースカ)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

選択の限界、科学の限界、知識の限界という3パートで構成されており、対話形式で進む。それぞれアロウの不可能性定理、ハイゼンベルク不確定性原理ゲーデル不完全性定理を扱う。出落ちみたいな出演者(対話者)が出てきて、とりあえず自分の主張を叫んだ後に司会者に「はいはいあとでやってね〜」みたいに流されるみたいなのが繰り返されてて笑えた。結構いろんな話題が広く浅く書いてあり、参考文献も充実しているので、とっかかりにはかなり良いかも。(アロゲ)

生きること学ぶこと (集英社文庫)

生きること学ぶこと (集英社文庫)

京大出身の数学者の方が書いたエッセイ。昭和5年著でかなり古い。自分がどうして数学者を志したかや、研究に対しての姿勢だったりが書いてある。行き詰まった時にどうやって乗り越えたかなど、学問に対して真摯で、とてもためになった。学会で自分の研究を「それ美しい!」と言われて舞い上がって、2年くらい研究進まなかったわ、とか、等身大の言葉で書いてあって読みやすく、面白い。(アロゲ)

西瓜糖の日々 (河出文庫)

西瓜糖の日々 (河出文庫)

(にとり)