読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 7/1

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

吃音症の女の子が高校に入り出来た友人たちと触れ合いながら自分と向き合っていく話。担任の無理解や、周りの人間が吃音症状を真似して笑っていたりするのがかなり心にきた。自分もしゃべるのが得意というわけではないので、主人公にはすごく共感できたし、笑われるのがこわいから逃げたけど自分を笑っているのは自分自身なんだという独白が突き刺さった。(アロゲ)
見えない都市 (河出文庫)

見えない都市 (河出文庫)

マルコ・ポーロフビライ・ハンに、自分が訪ね歩いてきた都市を語っていく短編形式。竹馬のような脚に支えられた都市、まったく同じ設計の無数の街を定期的に大移動し、そのたびに人々が職業を入れ替わる都市、廃棄ないものだが、時々現代の人々の生活に結び付くことがある。時折はさまれるマルコとフビライの会話は難解かつ抽象的で理解が出来ないため、何度も読み返したい。こう書くと取っつきにくそうだが、一篇一篇は短く、描かれる都市への空想を膨らませるのが楽しかった。(にとり)