読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 12/5

会長のほしみです。
もう12月になって5日経っているという事実に右手から汁が出そうえす。

太陽からの光と風 -意外と知らない?太陽と地球の関係 (知りたい!サイエンス)

太陽からの光と風 -意外と知らない?太陽と地球の関係 (知りたい!サイエンス)


研究と関係があって読んだ。研究には役に立たなかったけど、物理学・気象学・生物学とパートごとにまったく違うテーマで書かれてるので、太陽について広く浅く知るのには結構適してると思う。(ほしみ)

シティライツ(1) (モーニングKC)

シティライツ(1) (モーニングKC)


宇宙人の話が良かった。無常感が(石田)
自分が世の中でどう感じてどう生きているかなんかなあ(hidesys)

息子の唇 (角川文庫)

息子の唇 (角川文庫)


一歳児の息子がいる仕事バリバリのOLが主人公。
新しく男の部下が出来るんだけど、彼も今までの部下と同じように自分に甘えてくる。自分は仕事とプライベートをパシっと分けるタイプなんだけど、どうしても部下は甘えてくる。まったく、私に息子が居ることを知って、自分も私に母のように扱ってもらおうと思っているのかしら。上司からは部下を甘やかすなって、まるで私に問題があるように注意されるし。困ったものだ。
ある日、終電がなくなった後にタクシーで部下を家へ送り届けて帰宅する。部下がタクシーを降りる間際に、私は彼の唇にそっとキスをした。
性欲過剰の女性の短篇集。(hidesys)

ガロワと方程式 (すうがくぶっくす)

ガロワと方程式 (すうがくぶっくす)


実家にあったのを勝手に持ってきた。難しいけど分かりやすい。(樹)下

嘔吐

嘔吐

哲学者サルトルの代表的著作といえば、哲学著作の『存在と無』や、小説『自由への道』か。これらは文庫にもなってて手に取りやすい。一方、小説『嘔吐』は現在も単行本でしか出ていないのだが、先の2冊よりも断然短いので、お勧めである。

『嘔吐』は小説であるが、作中に活劇的な展開は見られない。主人公ロカンタンは30歳の青年で、お金には不自由しない日々を送っている。羨ましい。彼は若い頃は日本とかロシアとか色々渡り歩いて活劇っぽいこともしたそうだ。しかし今では閑静な街の図書館で、ロルボン氏という過去の人物の伝記執筆に日がな取り組む学究の身である。
そんなロカンタン青年の日常の風景にしばしば介入してくる<吐気>が、本作の主題である。
<吐気>とは何なのか。なぜロカンタンは<吐気>に襲われるのか。その原因を探求する中で、彼は<私>の存在の問題に直面する。この問題は『嘔吐』から数年後に『存在と無』に持ち越されるらしいんだけど、まだ読んでないので何もわかりません。
<私>とか書くと、永井均の独在論っぽいんだけど、言及してた記憶があんまない。初期の著作で批判とかしてるのかなぁ・・・。

ちなみに邦訳は『嘔吐』だけど、これは白井浩司氏がつけた題で、原題は<吐気>的な意味らしい。作中でも、別にゲーゲー吐いたりはしないっていう。ゲロ小説ならむしろ『限りなく透明に近いブルー』を思い出す。
一言で言えば、日々の「生活」はマジつらぽよ~って感じかもしれない。
ここにある生活は果たしてここにあるか。ならば存在は? <私>は?(塀)


不味いサツマイモを食いつづける人間もいるサークルです。

次回例会は12/12(水)です。