読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

2/16  例会@ルネ

水源―The Fountainhead

水源―The Fountainhead

翻訳としては読みやすい。物語はハワード・ロークが大学を退学するところから始まる。そのハワードが、周囲の迫害からめげずに自分のやりたい建築を突き詰めていく小説。現代建築にこだわるハワードと古代建築にこだわる教授の対立構造から、昔の人の遺産のおこぼれにあずかるセカンドハンド(中古)人間と主人公の目指す、他人に依存しない完全超人を通して「いい」意味での自己中心主義を伝える。(アロゲ)

アフリカの爆弾 (講談社英語文庫)

アフリカの爆弾 (講談社英語文庫)

複数の短編から成る筒井康隆の短編集。そのどれもがコメディを交えながら、最終的には近代批判に収まっていくという筒井康隆の得意な形式となっている。男尊女卑について男性と女性の権利の平等が進んでいたこの時代にあえていきすぎた女尊男卑を批判し、しかもそれが現代にそのまま通じる形になっていることはさすが名作家だと思った。(ぐうすか)