読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 5/13

アリス殺し (創元クライム・クラブ)

アリス殺し (創元クライム・クラブ)

不思議の国のアリスをモチーフにした作品。「不思議の国」の夢を見る登場人物たちが、夢の中での殺人と現実の殺人がリンクしていることに気づき、夢と現実を手がかりに犯人を推理していくミステリ。不思議の国らしく揚げ足をとる、人を食ったような受け答えがあったり、犯人の最期が小林泰三らしいスプラッタだったりと面白かった。(アロゲ)

夢見がちな大学生がお金に困って、寿命を1万円/年で(3ヶ月だけ残して)売ってしまうところから始まる。物語が進んでいくうちに主人公のクズさというか、どれだけ他人をないがしろにしてきたかがどんどん明らかになっていくのが身につまされるというかなんというか。ラストで主人公が改心した時に見える世界の美しさというのがすごく上手く描かれていて、とても良かった。(アロゲ)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

映画化決定ということでようやく読みました。言語学には結構興味があるので、SFなんだけれど「ことば」に着目して話が進むのが面白かった。読んでて思い出したのは、Watchmenという映画(漫画原作)で、少数を救うためには大多数を犠牲にしなければいけない構図が似てた。描写はハードだけど、エンターテイメントよりなのでSFあまり読んだことのない人にもオススメだと思います。(りっか)

自分の人生で一番好きなゲームのノベライズです。筆者の長谷さんについてあまり存じ上げなくてどんなもんかなと思っていたけど、めちゃくちゃおもしろかった。ゲームでは語られなかったコブラ部隊の背景とかも違和感なく掘り下げてあり、こんな風に書けるのかと感心。(リチャード)

僕たちのゲーム史 (星海社新書)

僕たちのゲーム史 (星海社新書)

ゲーム史について。昔のゲームと今のゲームがどう変わったのか、という疑問を「ゲームとはなにか」≡「ボタンを押したら反応する」という定義から「ゲーム史」を展開していく点が面白かった。非常に多くの文献を引用しつつ、さわやか氏の言葉でより掘り下げていく感じ。(リチャード)

KADOKAWAセールで電子書籍版が安かったので。大雑把に言えば、戦争から切り離された惑星に落ちてしまった兵士二人が純粋無垢な少女と出会って、いつの間にか失ってしまった人間らしさを取り戻していく。少女に加えて汎銀河同盟と人類連合(だっけ?)それぞれの兵士がメインキャラクター(というよりそれ以外出てこない)なのだけど、片方は完全な機械兵・片方はサイボーグ、片方は戦争にはもう戻る気はないと言い片方は絶対に戦線に戻ると言う、二極の対比が面白かった。(ほしみ)

次回は5/20です。