読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 10/29

物理学者と科学哲学者が科学哲学について議論する対談集。物理学者の方が哲学に対して不信感を持っていて「もっと具体的に言って」「わざと難しい言い回しを使ってるのではないか」「意味わからないし頭おかしいとしか思えない」などとがんがん攻めてくるのを科学哲学者の方がなんとかいなすという感じだった。さすがに言いすぎではとも思ったが、あとがきで普段相手の前提に突っ込み入れてうんざりされるのは哲学者の方なのにこの対談ではそれが逆になっていたと書いてあって、確かにそうだなと思った。わざと意見が食い違う話題を選んだと言ってたけど、哲学者と科学者ってここまで話がかみ合わないんだなぁという事がわかっておもしろかった。(アロゲ)

世界の半分がヴァンパイアで、人と共存してるという世界観。ヴァンパイアと人のボーイ・ミーツ・ガール。あとがきに「ヴァンパイアというものを特別なものとして扱いたくない」という一文があるとおり、ヴァンパイアだからってそこまで特異なことは起こらない。生きる時間の違いから心のすれ違いが起きる、という点に着目しているのが良かった。(アロゲ)

from everywhere. (星海社文庫)

from everywhere. (星海社文庫)

坂本真綾さんが仕事を休んで1ヶ月ヨーロッパを一人旅した時をメインにしたのエッセイ。英語がほとんどできなかったけど、いい人が多かったとか、あとはこれまでの活動を振りかえってどう思うか、とか。非常に読みやすくてよかった。(リチャード)

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

この前映画がやってたノンフィクション。服役中の死刑囚から記者へ、まだ逮 悪いやつとは関わりたくねえなーと。これ本当にあったのかよ、という。同じようなノンフィクションシリーズがいくつかあるみたいでやばい。(リチャード)

ファンタジスタドールのノベライズ。といってもアニメ版のノベライズではなくて、アニメ版に先行する土台のものとして「なぜ、どうしてファンタジスタドールが生まれたか」という点を掘り下げるもの。ふわふわな女児向けな感じだったアニメ本編とはまったく違って、ガチガチのSF考証や、「女の体」に対する生々しい(主人公である研究者の)体験・心情が描かれる。同じプロジェクトの中で意図的にここまで空気の違う作品を出すというのが非常に面白い試みだと思った。(ほしみ)

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

一理論物理学者が、生物のことについて考えてみたらどういうプロセスをたどって、どういう結論を得たか、というような話。一応一般向け講演として行ったものを本として纏めた形らしく、語り口もかなり講演っぽい感じなので読みやすい。なぜ(1944年の段階で)生物学というものに対して物理学者が貢献できていないのか、これからどうなるのか、という切り口。DNAが遺伝子であることが発見される10年くらい前で、生物学というものが盛り上がり始める空気みたいのを感じて良い。(ほしみ)