読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 8/26

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

タイトルにSFという単語が入っているけれど、ガチSFというよりはタイムマシンというガジェットを使って書かれた家族小説。出てくるタイムマシン自体も一般的に想像されるような「自由に時間を行き来できるマシン」ではなくて、過去を自由に回想できるみたいな装置で、過去自体は結局変えられないという代物。タイムパラドックスのループから抜け出すために自分の過去をひたすら回想する、という流れから家族関係の話に繋がるのは上手かった。円城塔訳ということで、ところどころ円城塔ナイズされたような文章が出てくるけれど、逐語訳だということなので元々が似た雰囲気で書かれているんだろうなと思う。(ほしみ)

最初のガンマンの話とか、やりたい放題やった感じ。こういうのできるってすごいよなあと思う。(りっか)

今年見た中で一番良かった映画。もちぞうが告白して、それにたまこが返事をするまでの話なんだけど、映画中の表情とか仕草での心情の描き方が非常に良かった。それに対してノベライズ版は、一人称かつ文章なので内面まで全部書かれてしまっていて、小説なので仕方がないんだけれどちょっと描写しすぎかなあと感じた。(リチャード)

果てしなき渇き (宝島社文庫)

果てしなき渇き (宝島社文庫)

この前公開された「渇き」の原作。すごくポップかつ情報量ぶっこんでハイテンションで描きまくるみたいなノリ。すごく文章力があって、暴力の描写などが非常に生々しい。読む人を選ぶと思うがとてもおもしろかった。(リチャード)

病弱であるがゆえに?好奇心旺盛なヒロインに、幼なじみの主人公が振り回されるという話。特に天文関係の話をヒロインが好きという設定で、天文絡みの話が多い。言い回しとか表現の仕方が上手くてよかった。ただ、舞台が架空の北海道で、北海道の半分に壁が立てられてて向こう側がロシアに占領されてる、という設定なんだけど、この設定いらなくね?感が強い。(アロゲ)