読トリン活動日誌

京大読トリンの例会活動内容を記録します。

例会 4/13

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

筒井康隆七瀬シリーズの最初の一冊である。他人の心を読める七瀬が様々な家に家事手伝いとして潜入し、その家庭の奥底に沈んだ本音をぶちまけさせていく話である。
本音をぶちまけた後の家族の壊れ方は比較的おもしろおかしく書かれているが、冷静になるとかなりゾッとする。特に心理学教授の家に住み込みをした時は壊れ方からラストまでの駆け抜け方が最高であった。(ぐうすか)

連合艦隊の最後―太平洋海戦史 (光人社NF文庫)

連合艦隊の最後―太平洋海戦史 (光人社NF文庫)

海軍に従事した後取材活動を始めたというめずらしい経歴の作者による小説。太平洋戦争のはじまりからおわりまでが描かれている。大和・武蔵・信濃の沈没するシーンなどを事実に忠実に描いており、読み物としても単純に面白い。また、作者による分析や批評も盛り込まれており、読みごたえがある。(しのぶ)